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芝居

僕の中の悪魔が叫ぶ。

「奪え! 己の欲するまま、劣情のままにな!」

僕の中の天使が呟く。

「壊しなさい。他人のために、自己のために、自己の欲望を壊しなさい」

両者は互いに譲ることなく、その戦いは果てなく続くように思われた。

当然のことながら、決定権は僕にある。

僕は考える。

………

……



あるとき僕はひらめいた。

それはまるで僕の頭上に稲妻が降ってきたかのようなインパクトだった。

瞬間、僕の中の天使と悪魔は消え去り、代わりに仮面が残された。

僕は屈むとそれを手に取り、顔に被せた。

するとどうだろう。今まで見てきた世界のすべてが変化してしまった。

けれどそれは、僕の望んだ変化だ。僕の望んだ世界だ。

そうして僕は、歩き出した。

………

……



人間は壊さずにはいられない。その触れるものすべてを。

人間は奪わずにはいられない。その写したものすべてを。

自己の欲望は自己によって打ち砕かれ、自己の欲望はそれによって解決される。

だから奪え、自己を壊すために。

だから壊せ、他者を奪うために。

なにかを奪うにはなにかを壊さなければならない。

なにかを壊すにはなにかを奪わなければならない。

人間は得ることはしない。奪い、壊すだけだ。

そうして成り立っている僕たちだ。

………

……



悪魔と天使は「僕」になった。

そうしてできた『僕』という総体を統括するのは、果たして僕なのか、「僕」なのか、《僕》なのか。

あるいは【僕】かもしれないし、またあるいは{僕}なのかもしれない。

この世界の主人公は僕ではない。

なぜなら僕は総体としての構築物でしかなく、絶対の一個人ではないからだ。

僕にはもはや僕を抑える力はない。

僕が僕でなくなる日は遠くないだろう。

まっさらな僕は僕の奥深くで眠っていて、誰かの到来を待つこともない。

今のところあの白雪姫をように助かる日を待ち望むことはない。

まっさらな僕にとっての母親は、社会なのだから。

----------------------------------------

テーマは「人格」と「人間関係」です。
少しグリム童話についての知識を入れてみました。

では、今日はこの辺で。

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同人サークル「木陰日和」です。
いろいろやってみています。是非見ていってください♪

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